大寒中の昨日、母親と味噌を仕込みました。
「昔、おじいちゃんが元気だった頃、冬になるといつも作ってたね」、「樽は子どもの半身位の高さだったよね。あれは4斗樽だったのかな?昔は味噌をいっぱい食べていたんだね!!!」「豆が煮えたところ、食べさせてもらって美味しかったよね・・・」等、懐かしく思い出話しながらー。私は記憶にありませんが、母は煮大豆に砂糖をかけてもらってお味見していたそう!
昔から、寒の時期に仕込む味噌は味が良く、傷みにくいと言われています。
寒とは、小寒1/6~1/19,大寒1/20~2/3(2024)を合わせた約1ヶ月のことで、一年で最も寒い時期。寒いからこそ、寒の湧き水は不純物が少なく水質良好で味が良く、傷みにくい。「寒の水は薬」という諺があるほど、神聖な水とされて大切に活用してきました。寒仕込み味噌や寒仕込みの日本酒が生まれる所以です。
さて仕込まれた味噌は、息を抜いた後(完全に熱を冷ます)、重しを乗せて秋が来るまでじっくり熟成発酵させます。これもミソ。味噌は15℃から発酵が始まり、30℃が理想的な発酵温度。
ちなみに今、スーパーに並んでいる多くの味噌は仕込んだ後、即30℃にして3ヶ月で仕上げてしまう加温発酵タイプのファーストフード”味噌”です。
寒に仕込んだ味噌が出来上がるまでは昨年仕込んだ味噌を食べます。よく「二年ものの味噌は味がまろやかになっておいしい」と言うのはこの頃からでしょうか。早春には蕗味噌、春には木の芽田楽、貝と分葱のぬたなどに大活躍。新味噌は7月の土用が過ぎると食べられるというので、もぎたてのきゅうりに添えてちょっとお味見。でもまだ浅い味で白色なので、夏中寝かせ、新味噌とデビュー出来るのは9月頃。新旧混合の「合わせ味噌」にして茄子やみょうがのみそ汁を楽しみます。10月に入るとようやく味が安定して食卓を賑わします。仲間同士集まって手前味噌を自慢しあったり、新米のお供のみそ汁、ほうとうが美味しい季節となり、両味噌使用がはかどります。師走頃には随分黒くなった二年ものは食べ納め、桶を洗って寒仕込み味噌の準備へ。
松の内を過ぎた頃、農作業の少ないこの時期を利用して、秋に収穫した新大豆と米を使って各家庭で味噌を仕込む~。
代々受け継がれてきた一連の流れは、つくづくよく出来た風習であり、日本ならではの食文化だなぁと先人達に敬意を抱いてしまいます。そして今年も、ごく少量ではありますが味噌を仕込めたことをしあわせに思います。
ちなみに昨日仕込んだのは大豆1kg、米・麦麹 各500g、塩 500g
節分まであと4日。大豆500gからでも気軽に作れるので、ぜひお試し下さい♪
5号9ℓサイズの壺 大豆2kg分で作っても良さそうなので、来年は倍量で。「お母さん、元気でいてね。来年も一緒に作りましょうね(*^_^*)」