いのちの星 地球 ogotama Bon apeetit en 2023 ⑩
最近めっぽう忙しく、自分の目で月を見ることをすっかり忘れていました。新月の二日目、糸のように細い月を西の空に見つけ、風に吹かれながら、月が雲の上に突き刺さって沈みゆくまで眺めていました。最後はダイヤモンドクラウド(⁉)が一瞬見えましたよ!
あっという間に駆け抜けた2023「いのちの地球 ogotama」10日間でした。
今日は「おまけのサプライズプレゼント」をお届けします。
インク:PILOT【深海shin-kai】+洋種山牛蒡(インクベリー)+ラベンダーE.O
本3月末こども園を退職する間際、子ども達へお手紙を書く代わりに感謝を込めて植物図鑑を制作しました(天然ハカイダーの巻)。辞めてしまうけれど、制作中、園庭にある植物の1年間を先取りして、細部までみんなと楽しむことが出来、それはそれはしあわせな時間でした。
退職後、細切れの時間を縫って自分のための卒園制作として製本。5年間を振り返りながらの貴重な時間となりました。最後、表紙の虹に仕上げの言葉を書けずにいたのですが、昨日「いのちの星 地球 おごっそうの玉手箱 en 2023」が晴れて完了したことから清々とし、ピリオドを打ちました。
これまたシンカイケイコらしい仕上がりとなりました。ご笑覧いただけましたら幸いです。
ここで子ども等と過ごした日々は、忘れがたく、子ども達に毎日、毎日たくさんのプレゼントをもらいました。
私は「1日50時間あってやっと人並み」という人間なので、今現在、当然結婚に至りません。残念ながら大好きな子どもを得られませんでした。出産の苦しみも、親の苦労も経験出来なかった半人前です。
とにもかくにも、0歳児担任3年、2歳児担任2年、計5年間べったり子ども等と過ごしました。2020『おごっそうの玉手箱』が出版されるも、コロナ禍で子ども達の命を守ることが急務。後半3年間、自分のライフワークを忘れ保育士業務に没頭しました。
子ども達が家族と過ごすより、たぶん長く一緒に過ごしました。
日頃、高齢者施設や伝統食聞き書きを通じ、ご年配者の「命の行く末」を間近に見てきた私。今度は始まりの「命の来し方」をつぶさに見ました。
パパママが結ばれ、ママのお腹がだんだん大きくなり、兄弟姉妹がお誕生、小さな赤ちゃんが、1日1日と日々を重ねて成長し、卒園していく姿を間近で見せてもらいました。
寝て起きて、食べて飲んで出して、遊んで、お友達を作って、言葉を獲得し、歌って踊ってジャンプして、走って転んで、ケンカして仲直り、泣いて怒ってまた笑って。その姿はキラキラと眩しく、美しく、もちろん大変なことはいっぱいあるのだけれど、それでもやっぱり皆がこの世の大切な宝物。目に入れても痛くないほど愛おしく、ずっとずっと大人になるまで見ていたいほど大好きです。
植物が命を輝かせているように、子ども等も光を放っていました。
誰1人と同じ人はいなくて、ただそこにありのままの姿で無心に生きている。その命はお父さんとお母さんからもらっていて、そのお父さんお母さんもまた両親から命をもらっていて・・・。子ども達はもちろん、お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんに会う度にその後ろに、途方もなく続いてきた命に触れ、その不思議さを思い、ただただ言葉をなくすばかりでした。
今世偶然なのか必然なのか、出会った人と結ばれて、人が生まれ、また出会い、数々の奇跡が重なって人は脈々と命をつないでいる。
地球は太陽系の3番目の惑星、いのちの星 地球。地球自身が1回くるりと回わって1日、太陽の周りを365日かけて1周回って1年。月は地球の天然の恒星。およそ30日の周期で満ち欠けする。この月の存在のおかげで、地球が安定し、うまい具合にそこにある様子。
そんな地球の上で、朝日が昇り、日中いろいろあって、日が沈んで夜が来る。
子ども達と過ごしている内に、私の中にありありと「季節のおごっそう」が立ち上ってきました。滑り台に降りた霜をかき取りながら、「あ、これはサクサク霜シャーベット!」、落ち葉を集めて「これぞ葉っぱのミルフィーユ」、氷が張り出せば「わり氷」、露を見れば「月の雫」を・・・。春夏秋冬、子ども達と一緒なら、そこにある季節がきらめくご馳走になってしまいます。
自分の足下、地球の上に宝物がありました。
地球は誕生してから46億年。「地球カレンダー」なるものでいうと、元旦1月1日は地球の誕生日。人間の祖先ホモ・サピエンスが誕生したのは12月31日11時37分。キリスト誕生(世紀の始まり)が11時59分47秒、産業革命が起きたのが11時59分58秒年、つまり地球誕生の歴史からすると人が誕生したのは大晦日の最後も最後の話しなのです。
人間が地球に誕生して、まだ日が浅いというのに、人間が高慢になって頂点に立って生きている。国境が引かれ、むさぼり争い、大地から空までにあるものが痛み、地球がどんどん熱く燃えている。
人を人とたらしめた「火」が危険と言って家庭から消えていき、忙しいからと言って家事を誰かに、何かに代行してもらい、出来た時間で人がしているそれは何なのか。「唯一無二の個性」を普通でないといって病名をつけ、その人が消えていく・・・。胸の痛いことが、そこここにある。
当たり前のことは何一つ無いのに、その大切さに気付くことができず、人間が「今、この瞬間」を重ねて生きている。
生きとし生けるものもまた、「今、この瞬間」を重ねて生きている。
だから私は、「のみのおもてなし」。足下で出逢った宝ものをいただいて束ね、「のみのご馳走」を作り、地球の上に住む老若男女に届けていくのです。
なんちゃーない、吹けば飛ぶような、ほんの小さないたずらさ。
でも”キラキラしたほんまもんのいのち”は愛らしく、食べると不思議とワクワクして、優しくしあわせな気分になって、思わず笑みがこぼれてしまい、隣の人にしあわせが伝染してゆくような素敵なマジック♪
お手本は、チャップリン「ライムライト」の”のみのダンス”。
心は見えない。でもしあわせって伝染していくものでしょう。
ありゃりゃりゃ、またやっちまったよ・・・。空が白み始めました。
今日から、私の時間も1日24時間。欲張らず、「アパリグラハ(不貧)」実践します。
長々失礼をばいたしました。どうぞ今日も良い日でありますように。ごきげんよう。
「生涯唯一無二の私で生きていこう」稽古中
食べもの研究家 新海桂子