商品開発 杉菜のり

ボナペティコーポレーション おごっそうの玉手箱事業の一つに、「商品開発」があります。

先日、お世話になっている経営コンサルタントの方に「今まで世に出した製品はありますか?」と尋ねられて、ドギマギしてしまった私です。

はて、私はそんな大それた物を作ったことは無いし、今後においても大手流通に乗るようなヒット商品を作ることはないのだろうと思います。

そんな私が目指している商品開発とは・・・、「どこにも売っていない足下にある物に価値を生み出して商品化」すること。

県外に行くと、土地の産物を生かした魅力的な食品がありますが、いつか、山梨の誇れる製品を作り出すことが出来たらと夢見ながら、ももよあめ100種、たんぽぽ蜜、おごたまチップス等々・・・、ゆっくりのんびりではありますが、試作を重ねています。

最近、挑戦を始めたのが「杉菜のり」。海なし県の山梨ならば、ミネラル豊富な里の幸”スギナ”をシート状にしてみたらどうだろうと、7月とある晩に突として閃きました。

発端はこの4月半ば、静岡三島の「伊豆 村の駅」で目にも美しい「菜のり」に出合い、一目惚れしたことから。西伊豆の汽水域や磯で採れる海藻をシート状にした物で、菜の花の咲く頃一瞬だけ市場に出回る希少な品。レジ担当の地元女性いわく、「地元でも知る人ぞ知る味だよ。あっという間に売り切れてしまうから、私は多めに買って冷凍保存して1年間大事に食べているよ。フライパンで青くなるまでさっと炙り、手で揉んでご飯にのせ、醤油を垂らして食べると絶品だよ!」と教えていただき、早速買って帰り、尊く、大事大事にいただきました(焼海苔と同サイズ。大変高価な品で4枚で1,188円、1枚約300円也)。

店頭で菜のりを目にした瞬間に思い出したのですが、約15年前、島根で「板わかめ」に出合ったときも甚く感動し、食べ方をお店の方に教えてもらって壊れぬように大切に持ち帰って同様に大事大事に食べました。

5月ひょんな巡り合わせで、出会って間もない紳士に、それは、それは美しい韓紙(韓国産和紙)を8枚もプレゼントしていただきました!

6月に名刺用和紙をヨモギの煮汁で染めたのは先のエッセイで述べたところ。このとき、レースのように粗い韓紙もヨモギ染めしてみたのです。ベランダに干して、垂れる水滴の美しさに目を奪われていたところ・・・。この光景は「菜のり」と瓜二つではありませんか!!

実は子どもの頃から、私は無類の紙好き。つまり私は、シート状の形状に深く心惹かれているのだと気付いた次第。

世界中の素敵な食べものに出合い、その国の紙に書き記したいと思うほど、両者が対になっていたのです。

なるほど、私は紙が好き→シート状にした食品に深く魅了されている(特に粗くざっくりしたシート状の物が大好き!)→そもそもの発端は子どもの頃、おじいちゃんが目を細めて美味しそうに食べていたタタミイワシだ!→私が作れる里のシートを開発しよう。→それはまず杉菜のりにおいて他ない!

長年愛してきた点と点がようやく繋がり、今、ようやっとインスピレーションを得た次第。(この発想、どなたか分かって下さる方がいらっしゃるでしょうか?!)

そんな訳で、ただいま「杉菜のり」を開発中です。

3年後にはお店に並べられますように🌈

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