オオミズアオ(大水青)別名 夕顔瓢箪  旅の想い出と共に②

いのちの星 地球 ogotama  Bon apeetit en 2023

~静岡のご褒美旅行から帰り、ついにオオミズアオに出合います~

2回目の金櫻神社で出合ったのが「オオミズアオ」。

到着し、まずは手水で洗い清めてお詣りへ。

その後、すぐに帰らないのが私です。

荷物の入れ替えのため、いったん車へ。時刻は7時を過ぎたばかり。今日の時間はまだたっぷり残っており、一度にあれやこれやせず、一つ、一つ出来る贅沢な時間帯です。貴重品をおいて、お手洗いへ。また車に戻って荷物を入れ替えて次の行動へ。短時間の間、いつも以上に行き来しました。3度目か、4度目か、ドアを閉めて歩き出した後、習慣で振り返ると、車のすぐそばに、何か、ふわりと薄黄緑色のものが落ちています。

あれ、私、何か落としちゃったのかしらとまた車の側まで戻りました。

それは初めて見る、不思議な蝶でした。見れば見るほど、翡翠色のそれが美しくて立ち去りがたく、葉っぱに移して鬱金桜の元へと運んで花と並べ、しばし眺めて時を過ごしました。

二度目の参拝の様子を先の3人に共有すると、中平さんから「ヤママユ蛾ですね。珍しい写真です」とコメントが返ってきました。それをきっかけに、ヤママユガの一種「オオミズアオ」であると判明に至りました。

蛾は蝶と同じ昆虫の仲間。エリック・カールの「はらぺこあおむし」のごとく卵→いも虫→さなぎ→蛾と変化していきいます。いも虫時代は、モミジ、ウメ、サクラ、ブナ、クリ等・・・、好き嫌い無く多種の葉を食べるのですって。脱皮を数回繰り返してさなぎへ。お休み中、なんと口が退化し、最後は口を持たぬ状態で蛾へ変身。羽化後の約1週間、食べる一切の行為を行わず、次の命を産み落とすためだけに過ごして死んでいきます。

「食べもの研究家」として独立を果たした私なのですが、2月に断食(ファスティング)を経験し、「食べない」ことで「食べることの大切さ」を実感したばかり。オオミズアオとの出合いが意味深に感じられ、「食」について、今以上に真摯に取り組まねばと、身を正す思いでした。

時間をおいて調べていくと、さらに興味深いことを知りました。

旧学名は Actias artemisで、月の女神アルテミスの名を持つ蛾。現在はActias aliena。異国のアルテミスと呼ばれます。英語名はJapanese moon moth(日本の月の蛾)。

私の名は、月に因んだ”桂子”。オオミズアオに重なります。

(「月と私」は書きたいこといっぱい。またの機会に)

オオミズアオには「幸運の知らせ」、「変化の兆し」、「再生」などのメッセージもあるのだそう。

蛾は明かりを求めて、自ら火に飛び込んで身を焦がしてしまうことから、オオミズアオには「光を追い求めて火傷しないように」という意味もありました。

確かに、この4ヶ月、たんぽぽ食堂のキッチンで火傷したり、逗子海岸でご機嫌で過ごして大やけど並の日焼けをして足首を折って眠るのもままならなかったり、時に自分の熱い思いに焼き焦がれて痛い程だったり・・・。

折々に「オオミズアオ」を思い出して自分に問いかけています。人生はたった一度。いのちを終えるまで、前にしか進めず。「この人生で、私は私らしく、何を成し遂げるのかー」と。

オオミズアオを思うことで、「欲張り癖」を鎮め、都度ベクトルを定めて再び歩き出す私です。

オオミズアオのお話でした。おしまい。

オオミズアオと鬱金桜   金櫻神社にて
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